ニコチンアミドモノヌクレオチド（NMN）は、ビタミンB3の中に含まれる成分のひとつで、補酵素であるニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド（NAD+）の前駆体で、あらゆる生物の細胞の中に存在しています。NMNは、老化を遅らせたり、老化に関連する病気から保護したりするなどの健康効果が期待できるため、近年注目されています。そのため、NMNの効率的かつ品質の高い製造方法の開発に関心が高まっています。NMNの生産方法として最も一般的に使用されているのは、化学合成法と酵母発酵法の2つです。このブログ記事では、これら2つの方法の違いを探り、その長所と短所について説明します。
化学合成法
化学合成法は、NRとL-リボーステトラアセテート等の化学物質を反応させて、合成したNMNをリン酸化することで生成する方法です。この方法は比較的効率的にNMNを生産できる一方で、人体にとって不必要なα-NMNが精製されることもあります。ただし、このα-NMNが人体にとって悪影響かどうかはまだハッキリとはわかっていないようです。
酵母発酵法
酵母発酵法は、ビールやホップなどの酵母菌をNRと一緒に発酵させることでNMNを精製する方法です。この方法は、化学合成よりも生産効率が悪く、生産コストが高くなってしまう要因でもあります。ただし、上述のα-NMNが混在せず、かつ人体で生成されるβ-NMNのみを精製することが可能となります。
まとめ
化学合成法と酵母発酵法を比較すると、一概にどちらのほうが良いということは選びにくいですが、より安価なNMNを求めるなら、化学合成法、α-NMNを含まないβ-NMNのみを求めるなら、酵母発酵法というイメージです。もちろん、α-NMNを摂取することで副作用があるかどうかという研究や論文は発表されていないので、最終的には各販売メーカーに質問してみることをおすすめします。
